住宅建築コーディネーターの竹内です。
今回は、「住宅の販売価格」についてのお話をしたいと思います。
家を購入する場合、多くの人が着目するのは「住宅の販売価格」です。
しかし、「その家で暮らす」ということを考えると、考慮すべきは販売価格だけではありません。
そこで今回は「一生その家に住みたい」と思う場合に、気を付けるポイントをご紹介していきます!
住宅の販売価格だけで決めると大失敗!
Aさんは、予算3,000万円で土地付きの新築戸建てを建てようと考えていました。
3,000万円でローンを組んだ場合、ボーナス払い等を考慮しなければ、毎月8万円~9万円の返済額となります。
現在の家賃の支払いと比較して、このくらいなら払えると判断して予算を決めたそうです。
しかし、「その家で暮らす」ということを考慮するとどうでしょう?
支払は住宅ローンに加えて、光熱費が加わってきます。
一戸建てになると、賃貸よりも面積も増えて光熱費も割高になります。
しかも、最近は電気代がとても高額になってきています。
例えば月々光熱費の金額が3万円とすると、35年ローンで換算すると、大体1000万円程の金額になります。
つまり、省エネ住宅に太陽光発電などを搭載させて、光熱費のかからない住宅を選択すれば、住宅価格がプラス1000万円の家を購入しても月々の出費は同じということになります。
同じ出費でグレードの高い家を購入することも可能です。
ローンを組める額と、払える額は違う
大切なのは「家を買う」ということはまだスタート地点だ、ということです。
家にはランニングコストがかかるため、一生涯でかかる住居費を考えなくてはなりません。
先ほどのAさまの場合には、次の3パターンの住宅購入におけるライフプラン表を提示しました。
①住宅購入価格3,000万円
(35年ローン・光熱費あり・外壁屋根修繕あり・水回りリフォームあり・大規模修正あり)建売の購入想定
②住宅購入価格3,500万円
(35年ローン・光熱費あり・外壁屋根修繕あり・水回りリフォームあり・大規模修正なし)ローコスト注文住宅購入想定
③住宅価格4,000万円
(35年ローン・光熱費なし・外壁屋根修繕なし・水回りリフォームあり・大規模修正なし)高性能省エネ住宅購入想定
上記はライフプラン表の一部です。
家族の年齢推移とともに、想定されるライフイベントについては予め支出としてプランに組み込まれます。
そのほか、生活費用・住宅費用・保険・年金費用・固定資産税など、住居を維持するための支出も細かく計算します。
この3パターンでは、③4,000万円の住宅を購入した場合が、もっともキャッシュフローがよく、多くの貯蓄を残せるという結果が出ていました。
要は長い年月で比較すると、一番出費が少ない方が預金が貯まるということです。
販売価格だけで判断してはいけない、ということがよくわかるかと思います。
ライフプランの入力の仕方が大事
住宅を購入するということは、イニシャルコスト(初期費用)+ランニングコスト(維持費用)が必要で、これらのバランスを考慮した「ライフプランニング」が重要です。
一生住むことを前提とするならば、一生住める家を建てなければなりません。
粗悪な住宅を建ててしまった場合には、ローン完済までに建て替えが発生し、一生ローンが終わらない事態も想定されます。
住宅ローンだけで安い、高いを判断するのではなく、一生支払う「住居費」が安い家で安心して暮らしていける家を選びましょう。